Q.海外で日本語教師として就職したく、募集情報をいろいろと見ています。派遣やボランティアではなく、給料がもらえる有給のものを探しています。できれば大学勤務がよいですが、常勤(専任)であれば、待遇にもよりますが、一般の日本語学校でも良いです。求人を見ていると「55歳まで」としている求人が多いように感じるのですが、55歳に何か理由があるのでしょうか?

A. 「海外」と一言で申しましても、国によって条件は様々ですので、あくまで「一般的」な話となりますが、海外で日本語教師として働くには、雇用条件云々より、まずその国での就労ビザが取得できることが第一となります。

就労するのに適正なビザが取れないことには、いくら日本語教師としての採用条件(雇用条件/資格)を満たしていても、就職することはできません。

例えば、欧米圏など日本語教師として適正なビザが無い国や、先進国で失業率が高い国などは、なかなか就労できるビザを取得することは困難であるため、いくら求人情報を探しても無駄に終わることが多いのです。

 ビザの発行条件

日本語教師としてビザが比較的取れやすい国は、日本語の需要からもほとんどがアジア、特に東南アジアに限られてきますが、アジアの国々でも適正な就労ビザの取得条件は、「60歳まで」としている国が比較的多いです。
そして年齢が上がるほど、健康診断その他の理由で、就労ビザは認められにくくなる傾向があります。

 雇う側の希望

一方、採用する機関(日本語学校や日本語教育を提供している会社など)は、せっかく雇うからには「できるだけ長く働いてほしい」という希望を持っているのはもちろんのこと、ビザに期限(更新制)がある場合も「少なくとも1任期(1〜2年)か、2任期(3〜4年)は働いてほしい」と希望している所が多いです。

そのため、60歳から逆算して「55歳くらいまで」と条件を課している求人が多くなる、ということになります。

55歳 + 2年勤務 + 更新(2年勤務) = 60歳

 国の発展度に比例する

年齢と発展度の関係グラフもちろん、前述の通り、どの国も一律というわけではなく、その国の発展度合によっても、ビザ発給条件などは異なってきます。

例えば、東南アジアの国々で、まだまだ発展途上の国などは、ビザ発給条件自体があまり定まっていないようなカオスな国もあり、そういう国は、発給条件はあってないような緩い場合が多く、60歳以上でも「日本人だから」という理由だけでビザが認められる(=日本語教師として働ける)こともあります。

また、待遇や環境面などの理由から、発展途上の国に住みたい(働きたい)という日本人も少ないため、日本語教師の求職者の競争倍率も低くなり、その意味でもビザが認められやすい/就業しやすい、という側面もあります。

一方、アジアでも、国がだいぶ発展してくると、なかなか就労ビザが取得しづらくなる傾向があります。
例えば中国などはこの10年でビザの取得は随分、厳しくなりました。(但し、中国は広大なため、便利な都市部での就職は厳しく、地方になるほど緩やかになる、という傾向もあります。)

 まとめ

以上のように、日本語教師の求人に掲げられている条件は、単に雇用側(学校側)の好き嫌いだけで決められているわけではなく、その国のビザという絶対的な条件に基づいてやむをえず年齢制限を設けている場合も多いのです。

但し、どの国も一律で年齢制限があるわけではなく、国の状況によっても様々ですので、体力・気力も余裕があって、特にお金よりも やりがいを求めて日本語教師デビューを果たしたいシニア層の方などは、雇用条件が緩やかな新興国や発展途上国をねらって就職活動をしてみるのもよいでしょう。