日本語教師アシスタント参加希望者の方から、カナダの日本語教育の現状や、カナダの教育制度そのものについてお尋ねいただいたことがありますので、その際にご説明した内容をまとめたものを下記いたします。
カナダでの日本語教育
2009年の国際交流基金の「海外の日本語教育の現状」によると、カナダの日本語学習者数は世界第10位にランクインしており、カナダは多文化政策のもと、若年層を中心にアニメ、ゲーム、日本製品などの日本のポップカルチーに興味を持つ人が多く、日本語教育は比較的全土に浸透しています。
特にブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州、アルバータ州で盛ん。セカンダリースクールでは第二外国語となってます。日本語教育は将来的にはオーストラリアやニュージーランドのように、外国語の選択科目の1つとして標準化されることが予想されます。
とてもマイルドで優しい国民性で、multiculturismのもと、多くの人種が温和に平和に暮らしており、日本人にとっても馴染みやすい国といえます。
これまでも日本語教師海外派遣プログラムを通じて、20年以上に渡って多くの日本語教師補助員が今現在も派遣されており、これから参加される方々も、前任の日本語教師アシスタント・ボランティアを引き継いでいく形となります。
カナダの教育制度の特徴
- 3学期制:9月に新学期が始まり、6月下旬に学年が終了。
- 各州によって教育制度が異なる。
- フレンチイマージョン教育:フランス語と英語によるバイリンガル教育。
- ESLクラス:英語を母語としない生徒を対象とした特別クラス。
- 飛び級制度:成績の優れた生徒を対象とした特別進級制度。
- 成績表:通常5段階評価 A(優)・B(良)・C(可)・D(平均以下)・F(落第)
- 体罰は絶対厳禁。
カナダの学校制度
ここでは日本語教師アシスタントの派遣が多い、British Columbia州(BC州)と、Ontario州(ON州)の教育制度をクローズアップしてご紹介いたします。
この2つの州は大きく以下のような流れになります。
- 幼稚園(Kindergarten)→初等教育(Elementary)→中等教育(Secondary)
日本と同じで6歳から小学校(Elementary)に入学し、
- BC州は7-5制 Elementary7学年(6〜13才)、Secondary5学年(14〜18才)
- ON州は8-4(5)制 Elementary8学年(6〜14才)、Secondary4(5)学年(15〜18才)
ちなみにQuebec州は6-5制、Saskatchewan州は5-4-3制、その他
Alberta,NovaScotia,NewBrunswick,NewfoudlそしてPrince Edward Island などの州は6-3-3制を採用。
州によって、違うので、とてもユニークですね。カナダでは「州」=「1つの国」ととらえると良いでしょう。