世界人口にみる日本語教師の将来性2006年、世界の人口が65億人を突破しました。(追記:2012年ですでに70億人突破。)
1950年にはたったの25億人しかいなかったって、ご存知でしたか?このペースで行くと、2050年には90億人に達するそうです。

それに反して、日本の人口は2006年から減少に転じました。

現在、少なくとも65億人のうち1億人が日本人。つまり世界の1/65(65人に一人)が少なくとも日本人なので日本語を話す、という計算です。(追記:2012年ですでに1/70・・・70人に一人とさらに割合減少。)

それが2050年には1/90(90人に1人)と、世界人口に占める日本語を母語とする人の比率が劇的に減ってしまうことになります。

では日本人以外で日本語を話す人々は増えるのでしょうか。
残念ながら、それもちょっと楽観できないかもしれません。

日本語教師や日本語教師アシスタントを世界に派遣していて感じるのが、世界のあちこちで、日本語教育が衰退しているということです。

なぜなら、日本及び日本企業の勢い低下に伴い、外国人(日本語非母語者)が「日本語ができるようになれば将来就職に有利」とか「将来ビジネスに役立つ」といった日本語を学ぶことのメリットがなくなってきているからです。

なんとか2007年頃までは1980年代のバブルの残影で持っていた日本語人気でしたが、現実の海外の教育現場では、去年まで日本語教育をおこなっていた学校が、財政難から日本語を廃止し、代わりに需要が高まってきているマンダリン(中国語)やスペイン語の授業を取り入れるようになってきています。日本語教育が盛んといわれたニュージーランドやオーストラリアでこの動きは顕著に見受けられます。

日本語教師アシスタント・ボランティアのみなさんのご協力をもって、なんとか現地での日本語教育の衰退に歯止めをかけようとしているのですが・・・
(→参照:日本語教師vs日本語教師アシスタント?)

語学教育は、世界の経済情勢を如実に反映します。

1980年代のバブル時代をピークに、日本の世界における経済情勢は衰えていきました。代わりに台頭著しいのがご存知の中国。政治的なまずさも手伝って、日本はどんどん肩身がせまくなっていっています。

領土問題や歴史認識のすれ違いで、今後、中国と日本、および韓国と日本との関係は悪化し不安定な状況が続くことが予想され、その意味でも日本語教師の将来性はあまり明るくありません。日本国内の日本語学校の生徒の大半を占め、つまり主な収入源であったのは中国や韓国からの生徒、そして海外においても、日本語教師の職場としてメインの勤務国は中国と韓国だったからです。

もちろん、今後、日本語教師の需要と将来性がある国にもあるように、その他のアジア周辺国、インドほか東南アジアの現在成長している国にとって、日本の経済力や技術力はまだまだ必要なので、そういった国(特にアジア圏)では、日本語の需要(=日本語教師の需要)は、向こう10年は日本語教育の需要は引き続き横バイか、ゆるやかに低下と予想されますが、2020年以降の雲行きは非常に怪しいものがあります。

また、現在、フリーターや派遣社員などの技術力を持たない単純労働者やコミュニケーション能力が劣る若年層が増加しつつある日本が、中国他アジア各国に抜かれるのは時間の問題と言えるので、10年以上後は・・・と思うと、日本語教師という職の将来性もあまり明るいものではないかもしれません

今現在、かろうじて日本語の将来に一筋の光を投げかけてくれているのが、日本のアニメやマンガなどのサブカルチャー。決して政治や経済ではないんですよね、国際交流って。 →(参考:外務省がアニメなど日本のポップカルチャーに詳しい日本語教師強化)

しかし、こうしたサブカルチャー起因の日本語ブームも非常に脆弱。流行はその名の通り「流れて行く」もの。かつて日本製の電化製品が世界を席巻していたが、今では中国製、韓国製の電化製品に市場を取って代わられたように、サブカルチャーにおいても、日本での「韓流ブーム」を例に挙げるまでもなく、親日と言われる台湾やベトナムでも韓国などのサブカルチャーが席巻しつつあり、日本のサブカルチャーブームも時間の問題となっています。

また、そもそもサブカルチャー起因では、「日本語をお金を払ってまで本格的に・最後まで学習しよう」という需要にはなかなかつながらないのが現実。日本語教師が食べていくには、あくまでビジネスに直結するから日本語を学ばなければならない、という生計ニーズに基づく強いモチベーションが必要なのですが、残念ながらサブカルチャー起因で日本語に興味を持つ人たちは、このモチベーションは希薄です。

今後、日本は新しい付加価値を世界の中で産み出すことができるか。世界の国々から尊敬される国に日本がなれるかどうか。

政府ではなく、草の根の親善大使である日本語教師と日本語教師アシスタント・ボランティアのみなさんがどのようなご活動をされるか。海外に飛び立ったみなさん一人ひとりにかかっています。

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ちなみに日本語教師養成講座の受講生が多い地域からも日本語の需要、日本語教育の需要がある地域を推察することができます。通信の日本語教師養成講座の受講生がお申込みなられた(お住まいの)国・地域が「受講生分布」などからもわかりますが、やはり人口が多いところに需要が高い傾向があり、今後の世界人口の推移も、遠からず日本語教師の需要の将来性を物語っていると言っても過言ではないかもしれません。