60776acd.jpg「なんで働く(労働を提供する)のにお金もらえないんですか?」というお問い合わせが、日本語教師アシスタント・ボランティアに関してよくあります。

また、関連して「416ビザ(日本語教師アシスタント用の正規ビザ)やボランティア用のワークビザで有給で働けないなら、他のビザで同じ日本語教師アシスタントプログラムで有給で働けるビザはありますか?」といったものもあります。

■416ビザ
www.jegsi.com/archives/50966506.html

そういったご質問を持たれる方は(おそらくご自身の時間を計り売りして時間給を得る単純労働者しか経験されたことがないのかもしれませんが)、一旦、日本国内だけでのご自分の損得の感覚を捨て、まずは全体および世界の国際情勢というものに思いをはせて、どこでどうやって「お金」が発生するのか、を考えていただきたいと思います。

ポイントは、

1.日本語というのは世界ではマイナーな言語であること
2.ビザ認可は会社の採用と同じようなこと

の2点。

まずポイントについてですが、こちらの
「日本語教師になるには」
www.jegsi.com/archives/50955885.html
にも書いてありますが、悲しいことに日本語というのは世界でもマイナー(少数)の言語です。

ビザ云々の前に、英語圏では日本語教育はあまり盛んではなく、「日本語を学びたい」ましてや「お金を払ってまで習いたい」という人はとても少ないのです。日本語ができれば将来、就職に有利になる、という外国人も年々、少なくなってきており、今では日本語よりも中国語のほうが優先される世の中です。(英語ができれば将来、何かと有利になる、と考えて英会話熱が高い、習いごと好きな日本のような状況を、日本語学習に転化するのは禁物です。)→[ 日本語教師の将来性 ]

お試しの試供品として、無給ボランティアで日本語を提供する日本語教師ボランティアがいなくなれば、例えば日本語教育が比較的盛んと言われているオーストラリアやニュージーランドでも、あっという間に日本語の授業は廃止となります。実際、厳しい学校の財政下、日本語授業を取りやめ、代わりに中国語教育に予算を配分する学校はすでにニュージーランドやオーストラリアでも出始めており、年々、オーストラリアやNZでも失業する日本語教師が増えてきているのが実態です。

モノ(サービス含)の値段というものは、需要と供給のバランスで決まっていきます

「日本語を習いたい」という需要が少ないのに、「日本語を教えたい」という供給(そのほとんどが日本人)が圧倒的に多くバランスがくずれている現状では、当然のことながら(能力があって運に恵まれた人以外は)「日本語で稼いでいく」ことはほとんど不可能といってもよいくらい難しいのです。有給だったとしても、「スズメの涙」程度のお給料だったりします。

英語がしゃべれるだけで日本の英会話スクールで簡単に働ける講師とは異なります。日本語が、世界共通言語としてメジャーな英語とは異なる現実です。

一度でも海外、特に英語圏・欧米圏で長期生活をしたことがある人は、こうした現実はすでにご存知のことでしょう。

欧米圏の人々から見れば、日本と韓国と中国の違いなんてさっぱりわかりませんし、関心があればいいほうで、日本人は単なる“アジアの一民族”に過ぎないのです。日本国内にいると、物質的にとても恵まれているので勘違いしがちですが、一歩海外に出ると、日本人の国際的ポジションは、自分たちが思っているほど高くはなかったりもします。

我々は、「その国に滞在させてもらい日本語を広めさせていただいている。その代わりに、海外で教育体験や英語を教えてもらっている」といったスタンスで、まずは誇りを失わず、忍耐強くやっていくことが必要です。

また、2番目のポイントのビザについてですが、これもまた国際情勢を如実に反映しているのですが、これについてはまた後日、お伝えします。→[ ビザも商売、国=会社 ]へ続く。