ここ数年、異業種からの新規参入が相次いでいる日本語教師の業界。

新しい日本語学校

特に日本国内では2020年の東京オリンピック開催の気運も手伝ってか、日本語学校の新規設立が相次いでおり、一種のバブル・設立ブーム、乱立気味の様相さえ帯びています。

ここ最近もこちらの日本語教師の求人募集のページには、新しい学校の開設にあたり、常勤(専任)及び非常勤講師募集はもちろんのこと、校長や主任教員募集の掲載依頼が途絶えることがありません。

語学系のスクールや専門学校などが、日本語分野に進出してくるのはそれほど珍しいことではありませんが、この数年の特徴としては、予備校や福祉系・介護系・医療系の専門学校や会社が、日本語学校開設する動きなどが見られます。

これは福祉・介護の現場での人材不足を、外国人で補うために、主にアジア系の外国人の囲い込みを、日本語教育の段階からやってしまおうというもの。

また、医療系も同じで、EPA(経済連携協定)に基づいて、主にインドネシア、フィリピン、ベトナムなどから看護師・介護福祉士候補者の受け入れて看護師不足を補おうとする動きに則したものとみられます。

少し変わったところでは、日本の地方で不動産業を営んでいる会社が、アジア系の留学生に不動産を賃貸することが多くなったので、いっそ日本語学校を運営してしまおう、ということで学校を新設するというパターンもありました。

日本語教師の就職先が増えることは喜ばしいことではありますが、ただ不安なのは、これだけバブル的に日本語学校が増えてくると、後々確実に淘汰が進むことになるということです。

実際、法務省告示校リスト(www.moj.go.jp/content/000107266.pdf)を見ていると、更新のたびに学校は増えていくだけでなく、人知れず消えていっている学校も見受けられます。

日本は少子高齢化、人口減少は着実に進んでいるので、おそらく2020年頃までをピークに、その後は徐々にこのブームも落ち着いていくのではないでしょうか。

実際、例えば4,5年程前の一時期に爆発的に日本語学習者が増加したインドネシアですが、現在は頭打ち、学習者数はすでに減少に転じました。

また、常に上位3位にランクインしていた韓国では、前回比33.8%の減少と、日本語学習者の激減が目立ち、当面は学習者減少の歯止めはかからないものと思われます。

今後はASEAN各国から顧客となる日本語学習者をいかにかき集めるか、にかかっており、結局、日本語教師の主な顧客はほとんどアジア(アジア頼み=アジアにしか専ら需要はない)、という実情は今後も変わらない模様です。

この日本語学校設立ブームに乗って日本語教師になってみるか、はたまたこのブームが落ち着くまで状況を見極めてから日本語教師を考えるか。人それぞれの生活環境によっても選択肢は分かれるところでしょう。

基本的には、若い人、例えば今大学生や新卒の方などはもう少し見極めて、20歳台後半ぐらいになってもまだ日本語教師をやりたいようなら、トライしてみてもよいかと思います。
せっかくの「新卒」の権利を、日本語教師で行使してしまうと、その後もし転職する際などに「つぶし」が効かないことがあることと、日本語教師は、日本語の文法的な知識だけでなく、社会人としての日本の一般社会・会社文化を教員自らが習得しておいたほうがよいことと、ある程度、貯蓄を備えてから(お世辞にも待遇面があまり良いとは言えない)日本語教師の業界に足を踏み入れた方がよいからです。

一方、ご結婚されるなどして生活基盤がしっかりしている方や、セカンドライフなどでお小遣い程度の収入でいいという方は「思い立ったが吉日」で、今すぐ日本語教師にトライしてみるのもよいでしょう。